草原の記憶、三弦の旋律
キルギスの音楽を聴くことは、見渡す限りの草原に立ち、天山山脈から吹き下ろす風の声を聴くことに似ています。
かつて、この地を生きる遊牧民にとって、音楽は単なる娯楽ではありませんでした。それは、季節とともに大地を移動する過酷な旅路の道標であり、自然の精霊と対話するための大切な「言葉」でもありました。三弦の調べ「コムズ」は馬が大地を駆ける鼓動を写し取り、口琴「オーズコムズ」の響きは、鳥のさえずりや風のささやきを人の心身に深く染み渡らせてきました。





